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人工妊娠中絶

 
 わが国では優生保護法に基づいて、下のような場合にかぎり、人工妊娠中絶が認められています。
 しかし、現状ではその条件に合う合わないは別にして、いたし方なく中絶をしなければならない人はあとをたちません。
 特に若い人の間では、快楽だけをおい求め、「子供ができたらおろせばいい……」といった風潮がありますが、こんな恐しいことはありません。
 手術を受けてせいせいしたと本気で思う人はいないでしょうし、いずれ忘れ去るにしても、妊娠という女性本来の本能を中絶するのですから、法律とか決まりなどを超えて、割り切れない人間の感情に悩むのではないでしょうか。

@本人または配偶者が精神病、精神薄弱、精神病質、遺伝性身体疾患または遺伝性奇形を持つもの
A本人または配偶者の四親等以内の血族関係にある者が遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱、遺伝性精神病質、遺伝性身体疾患または遺伝性奇形を持つもの
H本人または配偶者が瀬疾患に揮っているもの
C妊娠の継続や分晩が身体的または経済的理由で母体の健康を害する恐れのあるもの
D暴行や脅迫、または抵抗や拒絶ができをい間に姦淫されて妊娠したもの

肉体的にも、悪くすれば、さまざまな後遺症に悩まされ、不妊症になる恐れさえあるのです。いざ子供がほしいと思ったとき、泣くことにもなりかねないのです。 とにかく、中絶は女性にとって精神的にも肉体的にも大きな負担となるものです。女性は自分自身を守るために「中絶をしなければならない妊娠」をしないように、しつかり避妊を考えなければならないのです。

 不幸にして、中絶しなければならな〈なった場合はくよくよ思い悩まず、できるだけ早い時期によい病院を選んで行きましょう。そして、二度と同じことを繰り返さないようにすべきです。

◎手術を受けるにあたって

 どうしても中絶をしなければならない場合は、妊娠初期に手術を受けます。遅くとも妊娠一二週までには決心して病院へ行くことです。 それ以上になると手術に危険が伴いますし、母体への負担も大きくなりますので、妊娠二〇週まで待って分娩しなくてはならなくなります。 病院を選ぶにあたっては、人に知られたくないために、目立たないところを探しがちですが、中絶手術は優性保護法指定医しか行えないことになっていますので、その標示のある病院で、何でも安心して相談に行ける評判のよい病院を選びましょう。 また、手術を受けるには、相手の同意書が必要です。同意書は病院でくれますので、相手の名前を書き、印をつきます。 手術の日が決まったら、医師の注意を正確に守りましょう。一般的な注意は、次のようなことです。

○手術日は全身麻酔をかけるため、飲みものや食べものはいっさい口にしない

○当日は入浴して清潔にし、お化粧やマニキュアなどはしない

◎手術後は二、三日休めるようにして、安静にする

○手術後は医師の許しがあるまで入浴しない

○手術後一〇日間ぐらいはアルコール、タバコは禁物

◎手術後、四日目と七日目ぐらいに診察を受ける

○性生活は、手術後の診察時に指示を受けてからにする。普通は二週間後

◎一〇日以上も出血が続いたり、下腹痛があったり、熱がある場合はすぐ診察を受ける

◎後遺症について

 何でもなく終わればよいのですが、やはり不自然な手術ですから、たまには次のような後遺症に悩まされることがあります。これが中絶の最も恐しい点だと思います。

○まれには感染を起こして、子宮に炎症を起こすことがある。症状はしつこい下腹痛や腰痛、おりものなど

○子宮や卵管の炎症が原因となって、不妊症になったり、子宮外妊娠の原因となることもある

◎胎盤の一部が残ったり、子宮筋まで傷つけたりした場合は、出血が多く、長引く

○無月経になったり月経不順になることがある

○自律神経の失調を起こし、いらいらや頭痛、肩こりなどに悩まされる

◎中絶に対する罪悪感のため、性交時に不感症になってしまうことがある